八氣会インタビュー 第四回
初代女性主将の井出裕子さん
プロフィール ◇ 井出裕子(いで ゆうこ)
第31代 主将
平成12年人文学部ドイツ文学科卒業。
新卒採用にてロイヤル株式会社に就職、レストランのシズラー事業部にて接客及び管理業
務を担当。
平成15年に同社を退職、ハワイにて海外ウェディング企画を手掛ける日系企業にインター
ンシップ生として勤務。
平成17年3月、株式会社グッドラック・コーポレーションhttp://www.arluis.comに転職。
ハワイ滞在中に知り合った現地カメラマンと結婚、今後はウェディングプランナーとしてハワイに移住予定。
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■ 夢だったウェディングプランナーとしてハワイ移住を決めた、初代女性主将の5年間を
たどるインタビュー。
井出裕子さんは、心身統一合氣道部において初めて主将となった女性。さぞ強面で男
勝りかと思いきや、スレンダーでしなやか、しかも女性らしくやさしいたたずまいを持つ
方です。
彼女は、新卒採用後3年間勤めた外食系企業を退職してハワイに渡り、インターンシッ
プ(企業内研修)を受けた後、今年3月よりウェディングプランナーとしてハワイへの移
住を決めました。自分の夢をかなえた井出さんが、自分のやりたいことをどう見つけたの
か、目標に近づくために何をし、ピンチの際はどうやってそれを乗り切ったのか、5年間の
エピソードをお聞きしました。
第1章 『退職 〜直感を信じて道を選ぶ大切さ〜』
受験勉強や合氣道部の経験から、“自分が目的を持って何かに集中する感覚”を覚えて
いました。レストランの仕事ではそれが感じられない、ということは自分に合ってないん
だなあと思って。どうやっても寝食を忘れるほど集中できなかったんです。
―初めての就職先はフード系企業でしたね。
井出:外食産業のロイヤル株式会社に入社し、レストランのシズラー事業部に配属され
ました。
―仕事の内容は?
井出:店内の接客に始まって食材の発注やキッチンオペレーションの管理業務などです。
―かなりきつかったそうですね。
井出:とにかく勤務時間が極端に長くて、朝3時、4時までは当たり前、すごい時には
朝5時6時、もう次の日の担当者が出勤してくるよ〜という状態でした。実は就職して3
ヶ月後には“あー、これは自分には続けられない”と思ったんですよ。
―それはどうしてですか?
井出: 今までの大学受験や合氣道部の経験から、目標を持って集中すると自分が頑張
れることを知っていました。“自分が何かに打ちこんでいる感覚”を覚えていたんです。で
も、フードサービスの仕事に就いていた時はそれが感じられなかった。
―そのころ読んだ本が参考になったそうですね。
井出:タリーズコーヒージャパンの社長が書いた『すべては一杯のコーヒーから』とい
う本です。その中に「本当に好きなことだったら寝食を忘れて没頭できる」という一文があ
りました。逆に考えると、“寝食を忘れられない”ということは、自分にこの仕事は向いて
いないんだろうと思ったんです。
■『すべては一杯のコーヒーから』松田公太著 新潮社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4104546011/249-2785233-3510725
―でもすぐには辞めませんでしたね。
井出:その時点では、まだ何も身についていませんでした。このまま辞めるのはいやだ
し、次にやりたいことも見つかっていなかった。少なくともそれが見つかるまで、シズラ
ーの仕事を続けようと思っていました。
シズラー勤務の中で一番やりがいを感じたのは“バースデーパーティ演出”でした。
その延長線上にウェディングプランナーという仕事があったんです。
―自分のやりたいことはどうやって見つけたのですか?
井出:レストランの仕事に大分慣れて余裕が持てたころ、ふと海外ウェディング会社の
パンフレットに目がとまりました。ハワイで結婚式を挙げる日本人カップルのプランニン
グをするという仕事に魅力を感じたのです。
―直接転職するのではなく、インターンシップ(企業内研修)を選んだ理由は?
井出:もともと学生の頃から留学に憧れていたんですよ。でも留学中に語学の勉強だけ
でなく、将来仕事として生かせる技術を学びたいと思い、海外インターンを選びました。
―なぜウェディングに目が行ったのでしょう?
井出:シズラーに勤務していたころ、誕生日に来店したお客様にバースデーパーティを
するというサービスがありました。ケーキをプレゼントして、そのときいるスタッフがテ
ーブル周りでバースデーソングを歌うというものです。中にはそれを毎年楽しみにしてく
れているお子さんなどもいて、結構盛りあがるんですよ。
―パーティーなどの演出が好きだった?
井出:そうですね。喜んでくれるお客さんの様子を見ると私も一緒にうれしくなって。
そういう、お客さんに喜んでもらうサービス、楽しんでもらう企画に携わる仕事につき
たいと思い、その中で一番華やかなイベントが結婚式かなと考えたんですね。
■この後井出さんはロイヤルを退職し、念願のウエディングプランナーへの道を1歩踏
み出すことになります。しかし、研修先だったハワイでの現実はかなり厳しいものでした。
第2章 『修業時代 〜理想と現実の狭間で〜』
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